ヒトノモノ
京子は続けてあたしに言った。
「別れは女から告げるもんだよ?」
・・・あたし・・から・・・?
あたしはその言葉を一日胸に抱えたまま帰宅した。
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普段どおりに夕飯の支度をする。
そろそろ啓介が帰ってくる時間・・・
あたしは啓介の顔を見て別れを告げる事が出来る??
・・てか、啓介と別れたいの??
でも。今のままじゃぁ、だめだ。
もう、ホントにはっきりさせよう・・・
そう思ったときにインターフォンが鳴った。
あたしはゆっくり玄関に向かい、ドアを開けた。
ドアの向こうに・・・・
田中君がいた。