ヒトノモノ
陽の当たらない関係
女っていうのは、身体の関係を持ってしまうと相手を意識し始めるもので・・・
そうなると、もう気持ちも身体も相手にしか向かなくなる。
あたしもそうで・・・
木村さんと一線越えてしまってから、どんどん木村さんに魅かれていった。
ところが、木村さんは《一夜の過ち》とでも思っているのか、その日からあたしを避けるようになった。
酔った勢い・・・きっとソレだと思う。
「木村さん!係長から電話入ってます」
「・・あ・・あぁ。ありがと」
挨拶をしても、仕事の話をしても、目を合わせてくれることは無く。
露骨にあたしを避けてる。
・・・あたしも割り切らなきゃいけないのかな・・・
頭ではそう思っていても、木村さんに対する気持ちは反比例して膨れていくばかり。
身体も・・・木村さんの吐息や熱、唇、指・・・を忘れる事は無かった。