『庶民♀♂御曹司』
「帰る必要なんてないよ」
目を見開くと、東堂慶矢が笑った。
「結衣さん。
帰る必要なんてありませんよ」
背筋が凍りついた。
血がひいていくのが分かった。
「何で東堂知ってるんだ?」
エロじじいは首をかしげ、私を見つめた。
「あれ?何で分かったんでしょう?」
とぼける東堂
「私、ちょっと失礼します」
東堂の横を通り過ぎた時
彼は周りに聞えないように低く言った
「俺から逃げられると思うなよ結衣」
私が睨むと、東堂は笑っていた。