『庶民♀♂御曹司』
「結衣って慣れなれしく言わないで」
「結衣頼む・・・もう一度」
「私は疑心暗鬼まで精神が堕ちた」
「・・・」
「私のその姿を見て、腰を抜かしたのは誰?」
俺はその一言で悟った。
あの彼女は偽りに近いんだ。
無駄に明るくて、無駄に喋る、無駄に元気
無理やりだったんだ・・・彼女なりの。
「長谷野家と東堂家は縁を切っています。
もう関わらないで」
「結衣・・・」
「私。皇堂光芽さんと結婚する予定ですから」
感情無く言った結衣
何故か胸を痛めた。