『庶民♀♂御曹司』
私は無言で頷いた。
エロじじいが見ている訳ではない。
自分の決意を確かめるため・・・
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一文字、一文字丁寧に書いた。
字を書くのに、かなりの神経を使った。
きちんと光芽を好きに。
きっとこの考えが甘かった。
「ふーん。もう書いたんだ」
エロじじいは机に置かれた婚姻届を手に取った。
「これでいいんだよね?」
ービリッビリッ
「ちょっ!」
エロじじいはゆっくりと婚姻届を破った。
「ふざけるなよ。
俺はこんな思いで、結婚して欲しくない」
エロじじいは私を睨むと、旅行バックを持っていた。
格好もスーツだった。
「俺はこれから出張に行って来る。
その間に荷物をまとめて、このホテルから出て行けよ」
エロじじいはそう言うと、婚姻届を床にばら撒いた。
私は床に落ちるただの紙をじっーと見ていた。