隣の狼にご注意を♥
あれだけカッコいいし、モテるのに、
こんな平凡なあたしを誰が好きになる?
よっぽどの変わり者じゃないと、
そんなの無理に決まってる。
あ――、なんか悲しくなってきたな。
あたしって、どんだけ自分に
自信持ってないのよ。
「…あこちゃん、あたしちょっと
屋上行って頭冷やしてくる。
先生に言っといてくれる?」
そうあこちゃんに言って、
ふらっと教室の外へ向かう。
「え? どうしたのよ急に」
後ろからあこちゃんの心配そうな声
が小さく聞こえたような気がしたけど、
気にせず屋上へ向かう。
カンカンカン――……。
静かな廊下に音が響く。
ギイィィ――っといかにも
古そうな音をたて、ゆっくりと開く。