隣の狼にご注意を♥
…あたし、屋上来たのって
初めてかもしれない――。
今日の空ってこんなに青かったんだ。
あっあの雲、なんか慧吾に似てる。
フェンスに寄りかかりながら、
空をボーっと見上げる。
「…あたっ」
空を見上げていると、
空から何か丸いものが降ってきて、
あたしの頭にコツンとあたった。
タイルに落ちた降ってきたものを
拾い上げる。
「…なにこれ? 飴?」
ピンクの透明な袋に包まれていたのは、
苺味の飴だった。
「何悩んでんだよ」
「え?」
飴の後は声が降ってきた!
な――んてメルヘンチックなこと
ではなく、声の主はドアの上のはしごの
上に寝転んでいた。
「な、なんであんたがここにいるの!?」
「は? そんなの自由だろ?
それより答えになってねーし」