隣の狼にご注意を♥
慧吾が何かを言った瞬間、
強い風が吹いて、慧吾の言った言葉が
あたしには届かなかった。
慧吾なんて言ったんだろう?
顔がほんのり赤いような
気がするのは気のせい?
「ねぇっ、なんて言ったの――!?」
太陽は出てるのに、また強い風が吹いた。
その風に声が消されないように、
お腹に力を入れて慧吾に言う。
「お前には教えねぇっ」
「え―――っ!?
なんでよ――っ!!」
「うるせぇ!!
なんも言うなっ!!」
「はぁ!? 何それっ!!」
それだけ言うと慧吾は、
あたしがいる方と反対側を向いた。
いわゆるふて寝ってヤツだ。