隣の狼にご注意を♥
「――ぃ……、しいっ!!
起きてよ、しい――っ!!!」
「…ん―――…?
あれ…? あこちゃん――?」
…あ、そっか。
あたし気づいたら
寝ちゃってたのか―――。
あれ…?
あたし、夢でも見てたのかな?
あの声は…慧吾?
「しいったら!
屋上で寝るなんて風邪ひくわよ?
慧吾が教えてくれたから
良かったものの、
いつまで寝てるつもりだったの?」
「え? 慧吾?
なんでそこで慧吾がでてくるの…?」
「なんでって……。
それ慧吾の制服よ?
気づかなかったの?」
あこちゃんがあたしを
指さしながら言う。
自分を見ると、大きめの制服が
かけられていることにやっと気づいた。
これを慧吾が…?
めずらしいこともあるもんだ。