隣の狼にご注意を♥
慧吾って普段はSなのに、
こういうときだけ変に優しいよね。
っていうか、やっぱりあの夢の中の
声は慧吾だったのか……。
あたしが起きるまで呼びかけて
くれればよかったのに――……。
それにしても、この制服
とっても暖かい…。
それに、これは多分
慧吾の香り―――。
夢の中と同じ……。
って! 何考えてるのよ、あたしはっ!
これじゃただの変態じゃない!!
「…しい、どうしたの?」
「へ? な、何が?」
「何がって…。
顔真っ赤よ? ゆでダコみたいに」
「えっ!? そ、そうかなぁ!?」
あこちゃんの言葉に恥ずかしくなって、
慌てて手をつけて顔を冷やす。
何なのこの感じ…。
今までこんなことなかったのに。
初めてだよ――…。
これじゃまるで、
慧吾に恋してるみ…た―――。
ちょ、ちょっと待った!!
そんなことあるわけないじゃないっ!!!