隣の狼にご注意を♥
知らなかった……。
昔の幼なじみかぁ。
あたしの知らない世界だな。
「あの泣き虫康介だろ?
アイツ、ちょっとは
強くなったわけ?」
「はぁ!?
康介のこと悪く言うなっ!」
何もわからないあたしの隣で、
その幼なじみのことで
言いあっている2人。
…なんか、見えない壁感じるなぁ。
あたしは2人の過去のことなんて、
これっぽっちも知らないし。
――そっか…。
慧吾に感じた、近いようで
遠い想いってこれだ。
これじゃ、慧吾との賭けだって
無理に決まってるじゃん。
「しいにも今度会わせるよっ!」
「…へ?」
「あたしの自慢の親友だ!って」
「――あこちゃん……。
ありがとう!」
…大丈夫。
知らない過去がある分は、
これからの未来で
思い出をいっぱい作ればいいっ!!