隣の狼にご注意を♥
「てか、オムライス食べんだろ?
あこ待ってんぞ」
「ああ! そうだった!
早く食べきゃ、休み時間終っちゃう!」
話し過ぎて、自分の昼食の
ことまですっかり忘れていた。
あこちゃんもう食べてるしっ!
窓側のテーブルで、黙々と
食べているあこちゃんがいた。
あたしは急いでオムライスの食券
を買って、あこちゃんのもとへ。
「走って、こぼすんじゃねーぞ」
「そんなバカなことしないしっ!」
慧吾の言葉にムッとしながらも、
気おつけて運ぶ。
確かに、前につまづいて
オムライスこぼしたことあるしね…。
「あっそ、じゃあな」
「あ、ありがとね!
心配して来てくれて!」
「別に、お前が心配で
来たわけじゃねぇし」
そう言いながらも、背中を向けた
慧吾は少し笑っているように見えた。
…気のせいかな?