隣の狼にご注意を♥
あたしだって、考えてない
わけじゃない。
でも、恋愛初心者のあたしが
どうすれば慧吾が振り向くのか…。
わかんないんだもんっ!!
セクシーにお色気作戦で誘う?
そんなの慧吾は何人の経験してる
だろうし、そんなことする
勇気、あたしにはない。
純情乙女を演じる?
今さらそんなことしたって、
何の役にも立たないよね。
あたしの性格知ってるし。
「わかんないんだもんっ!
どうすればいいか――……。
だってあの慧吾だよ?
どうしたらホレるのさぁ!!」
頭の中がぐちゃぐちゃで、
思わず叫んでしまった。
「…しいは、もっと女らしい
ところ見せればいいんじゃない?」
「女らしい…とこ?」
「しい、いっつも一人で何でも
やろうとするから…。
ちょっと弱い一面も見せなきゃ!」
う―――ん……。
弱い一面かぁ――。
難しいな。
「――よしっ! わかった!
あたしがキューピットに
なってあげるっ!!」
「キュー…ピット?」
「そっ!
次の合宿で、あたしが
しいと慧吾を赤い糸で結んであげる!!」