隣の狼にご注意を♥



だって立派すぎるんだもんっ!!






中に入ると、これまた立派で
きれいなロビーが広がる。







ここって本当に旅館?




どっかの高級ホテルとかでなく?







「…あたし、こんな豪華な旅館
 初めて来たよ……」







「あたしもだよ、しい。
 ここ本当に旅館?」









あたしの隣にいるあこちゃんも、
同じことを思っていたみたい。







そりゃそうだ。
ここにいる人全員、同じこと
思っているだろう…。








だって、みんなポカンとした
顔で辺りを見回してるしね。









先生が受付を済ませ、
鍵を渡していく。








あたしたちの部屋は……






「あ…じさい…?」






鍵には《紫陽花》と書かれた
木の板のキーホルダーが
ついていた。








見た目は洋風に近いのに、
部屋の名前は和風みたいだ。









「あたしたちの部屋は
 紫陽花だって!
 ……あこちゃん聞いてる――……?」








「…………」








呼んでも返事がないあこちゃん。






どうしたんだろう?


あこちゃんの顔をのぞくと、
少し頬を赤らめて、
ポ――っとどこかを見ている…。




































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