隣の狼にご注意を♥
「何、なんか慧吾に用?」
「あ、いや。
別に大したことじゃないから…」
どうせ寮に帰れば聞けるしね。
帰ってからでもいいよね。
「あんた、黒川椎菜?」
「えっ?
なんであたしの名前……」
「慧吾のお気に入りだろ?
この前話してたよ。
変な女がいたってさ」
「なっ…!」
変な女ですって――っ!?
どこがよっ。
とことん失礼なヤツっ!!
「でも、めずらしいよな。
慧吾が自分から女のこと
話してくるなんてさ」
「まーなぁ。
確かにあんまりなかったな」
「いつもは俺らから話
ふるもんなっ!」
「そっかぁ。
あんただったのか。
黒川椎菜って」