隣の狼にご注意を♥
「いいから…!
渡しなさいよっ!
これは罰よ! いいわねっ」
「……ひぃっ!」
先生が出している
とてつもなく迫力のあるオーラに、
思わず声が出た。
バタンっ!という扉を閉める音に、
ビクッとなり、目の前には
ひらひらと落ちるプリント。
…あたし、もう二度と古文の時間
ニヤニヤしない。
「はぁ―――……」
あたし今日で何回ため息ついた?
幸せそうとう逃げっちゃってるよ…。
そりゃそっか。
あの日からあたしの人生
くるい始めちゃったし……。
どこで歯車がかみ合ったのか、
今は川崎くんの部屋の前。
先生に頼まれたプリントを
渡しに来たんだけど…
とってもチャイムが押しにくい。