隣の狼にご注意を♥
「慧くん、ハルのあの目には
弱いからなぁ。
黒川さんも早く上がりなよ」
「え?
で、でも…本当に良いのかな?」
「慧くんが良いって言ったんだし。
いいんだよ。
ほらほらっ! 入って入って!」
「わぁ!」
川崎くんとじゃれあっていた
男の子とは違う男の子が、
あたしの腕を掴んで
中に引っ張り込む。
その男の子に連れられて、
あたしはしぶしぶ、
みんなが待つリビングへと入る。
同じ寮の部屋だから、
造りは同じはずなのに、
あたしの部屋とは全く違う部屋みたい。
全体的にモノクロでまとめられた
とてもきれいな部屋。
生活に必要最低限のものが
きちんと整理整頓されている。
でっかいテレビの横に置いてある
観葉植物が、とてもおしゃれに見える。
あたし、男の子の部屋に入った
ことなんて、お兄ちゃんの部屋しか
なかったけど、お兄ちゃんの部屋とは
全然雰囲気が違う……。