隣の狼にご注意を♥
「ほら、次はお前の番だぞ」
川崎くんが、
顎でクイッとあたしを指す。
そして、みんなの視線が
あたしに集まっているのがわかった。
緊張して乾いた喉を
カルピスソーダを一口飲んで、うるおす。
「あたしは、黒川椎菜。
ニックネームとか無いから、
好きに呼んで下さいっ。
よ、よろしく…」
自己紹介とかいつぶりだろう?
とっても緊張たけど、
終った後、みんなは「よろしく」と
笑ってくれて、少しホッとした。
「じゃあ、しいって呼んでいい?」
キラキラした目で聞いてくるのは、
ハルだった。やっぱ、犬みたいだ。
「い、いいけど?」
「やっりー!
亜子がそう呼んでたから、
呼びたかったんだよねっ!
よろしくなっ、しい!!」
「よろしくね、ハル」
あたしがハルって呼んだことに
感動したのか、ちょっと涙目で
抱きついてくるハル。