隣の狼にご注意を♥
「そうか?
俺の前では結構笑うぞ?」
割り込んできたのは、
ハルだった。
「まぁ、基本的クールだからな。
慧吾の笑った顔は
レアものに近いかもなぁ。
でもさ、そうじゃないと
慧吾じゃねーんだよな」
さっきまで泣いてたくせに、
今は得意顔で川崎くんの自慢をする。
ハルって、正直単純だよね。
「確かに、慧くんは
ああじゃないとダメだよねぇ」
ハルに乗ってきたのは、レオだった。
「俺らだけじゃ、
はたから見たら変人の集まり
になっちゃうからねぇ」
「…まぁ、たしかに」
「しい、そこ納得すんな」
鋭いツッコミを入れたのは、
ずれたメガネを直す悠斗。
だって、確かに変人の集まりなんだもん。
「それをまとめてるんのが、
慧くんなんだよ。
性格的には、しいが思ってる
のに近いと思うよ?
でも、しいが知らないだろ?
慧くんの優しさ」
川崎くんの優しさ…?
考えてみれば、
あたしいっつもバカにされてたような…。