隣の狼にご注意を♥
優しいところなんて、
全く見たことないしね…。
「慧くんは優しいよ。
俺ら、中学の時結構荒れててさ、
よく毎日のように喧嘩
しまくってたんだよ」
「え? 嘘……」
「今はだいぶ落ち着いたけどね」
ハルが横から顔を出して、
にこっと笑う。
その笑顔に、少しホッとする…。
「で、よく他校に喧嘩売られてさ。
でも俺らバカだったから、
怪我しまくって、喧嘩して…。
そんな俺らを助けてくれたのは、
どんな時も慧くんだったんだ」
「へぇ~…」
「俺らが今こうしているのも、
慧くんが居場所をつくって
くれたからなんだ」
悲しそうな…、でも嬉しそうな
顔をして笑うレオ。
その表情から、川崎くんが
どれだけ助けになっていたのか…。
よくわかる気がする…。