プラネタリウム
第一章
星屑のような髪飾り
神様の悪戯。
神様はいつも退屈で、暇つぶしにいろんな悪戯をする。
だからきっと、俺達は出会ったんだ。
そうでなければ、
ちっぽけでダサい俺なんかと、君が出会うはずないもんね。
初めて出会ったときのこと、
俺は絶対に忘れない―――。
その日の空は、眩しすぎて、どこか怖かった。
廃棄場所の一角、廃れた金属や粗大ごみ、誰も通らないこの場所は絶好のたまり場だった。
渉は持っていた煙草に火をつけた。
はたから見れば綺麗な顔に整った顔立ち、結構容姿はイケテるのに、その瞳は暗い影を映している。
ため息を吐くように、白い煙を吐き出した。
「これからどこ行く?」
隣にいた秀二が言った。
秀二も、もう何本めかの煙草を吸っている。
秀二は渉の幼なじみだ。
小さな頃からふたりで悪さばかりしていた。馬鹿ばっかやって、周囲からは勿論、悪ガキのレッテルを貼られていた。
今と違うことといえば、貼られたレッテルが悪ガキから不良に変わったとこだけだろう。
高校2年になった今でも、悪さばかりしてつるんでるのに変わりはない。
「金ねぇし」
「たかりに行くか?」
「そうだな…」
渉は地面に煙草を押し付けて立ち上がった。
「やっぱいいわ。今日はいい」
そう言うと、渉は歩き出した。
後ろから秀二の声が聞こえたが、気にせずそのまま歩く。
乗り気じゃなかった。
悪さする気分じゃなかった、この空のせいかもしれない。
眩しいくらい晴れている空を見るのは怖かった。
自分の中の曇った心が、映し出されるんじゃないかって、ひやひやしたんだ。