BLACK MAN






「何の音だ!?」







学者は一階につながっている階段をのぼり、古びた扉を懸命にこじあけた。







「何ですか!?今の音……。」







生物研究員はそう言いながら学者の後に続いて階段をあがって来た。







「……そこで何をしているんだ、研究員。」






学者は研究員が立っている芝生の上まで、歩いて来た。







「……実験は中止の筈だが?」







学者は問うた。






「……少し手違いがあったようだ。私は延期と言った。中止とは言っていないのだが?」





研究員は学者に近付いて来た。






「……延期とは私には、中止と聞こえた。」




学者の後ろには生物研究員が不思議そうに眺めている。





「……研究員。今何を放った?」







学者は言った。







< 11 / 31 >

この作品をシェア

pagetop