BLACK MAN
「……どちらにせよ、ここで喋っている時間は無いんじゃないか、八代さん?」
研究員は扉を閉め、前に進んだ。
「……お前、自分の過ちがどのような被害をもたらすか、理解した上でロケットを打ち上げたのか?」
生物研究員は、学者と研究員の対話を聞いていた。
「………八代さん、勘違いしないでもらいたい。私はあくまで、《未知生物ブラッド》に当たる事を想定して打ち上げた。つまり、周りに被害が出ないとばかり思っていた。……だが、奴が既に潜んでいる可能性が出て来た。」
研究員は学者の斜め横で、自らの悪事を撤回したかのような返答をした。
「…自分の都合の良い事を。」
その時、生物研究員の一人が言った。
「……自分は、先程の討論会議室での益川(研究員)さんと八代さんの言い合いに、共感が得られませんでした。」
生物研究員の一人の慶縞は、学者の目を見て言った。