BLACK MAN
討論会議室はあの研究員が出て行った為か静まりかえっていた。
「一体何だったんだ、あの研究員…。前に出て“ ロケットを打ち上げる” とか言いながら、あの学者の発言であっさりあきらめるんだからよ。」
研修生が小声で言っていた。
「ロケット案は中止だ。直ちにあの研究員と共に兵を開発している者は開発に急げ!」
学者は前に出て仕切り始めた。
「後の者は昨年同様に私の指示に従い動いてもらう。ふだんは討論会議室などではこんな事言わないのだが、今日は特別だ!」
「昨年までは兵なんてなかったから今年は楽勝だな!」
「そうだな。」
などと情けない声が飛び交う中、学者も
「あの研究員が言った事が本当なら、研修生が言っているように今年は楽勝かもしれないな。」
と言っていた。