僕らの妹
「……
そのマグカップ、
母さんが
使ってたカップ…。」
剣斗が
小さく呟いた
その言葉で
目を見開く。
「だからあいつ…
あんなに、
怒ってたのか…」
柚夏は
母さんっ子だった。
「なんで、
カップ 割ったり
したんだ?
兄貴らしく
ねえじゃん。」
さっきより
落ち着いた
口調で聞かれる。
「髪の毛
濡らしたままで
風邪、
ひかしたくなくて
怒った。
俺、敏感に
なりすぎてんだな。
きっと。
今思えば、関係ない、
部活のことまで
口出して…。
何やってんだろうな。
俺…。」