僕らの妹

『熱は、ないよ。』

「嘘。」
そう言って
私の額に手を
当てると

「チッ。」
軽く 舌打ちが
聞こえる。

『私、学校に
行くから!』

そんな
私の発言を無視して

「剣斗!!」

リビングから
洗面所にいる
剣斗にぃを呼ぶ。


『ねぇ。
私、学校、
行くからね?』

「馬鹿なこと、
言ってんじゃねえよ!
そんな
高熱があるのに。」

捨てぜりふ かのように
早口で私を叱り、

「剣斗、すぐに
車、用意しろ!」

剣斗にぃに
命令する
優樹にぃ。

それから
私は軽々と
抱かれ、車に
乗せられた。

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