僕らの妹




今日みたいに
来年の
クリスマスも
過ごせたらな。って
思ってた。

来年も
佑の誕生日、
お祝い出来たらな。
って。


今日みたいにね。
嬉しすぎて
幸せを 普通に
感じるとね
“病気”のことなんか
抜けちゃって
この先も
ずっと
このまま
生きられるん
じゃないか。って
思えちゃう
自分がいて、でも
一方では
“死んじゃうんだよ”
って
冷静に教えてくれる
自分も
いるの。




恋水…
古典の教科書に
載ってた
言葉。


“恋のために流す涙”

綺麗な言葉だな。
って
思ってた。

でも
今の私は
その言葉、
ピッタリ
あてはまる
気がする。


恋水…。


病気になって
たくさんの涙を
流したけど
佑のために
流した涙が
一番、多かったん
じゃないかな。



私のこの想いは
永遠に変わる事なんて
ない。


愛してるから。


私が
消えた後でも。
いなくなった
後でも。

誰も気づかなくても
私は
ずっと
佑の事、
想ってるから。

佑の
近くに
いるから。




< 316 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop