CHERRy


「ごめんね、今日はちょっと先約があって…」


放課後、教室に残っていたら案の定相談者が教室にやって来た。


「あ、分かりましたっ」


七菜に言われた通り、一人大人しく待っていた。


「七菜、遅いな…」


待ってから約10分。

いつも時間にうるさいはずの七菜が10分も待たせるなんておかしい…


「何かあったとか?」


よからぬ方にばかり進む思考。

そうしたらいきなり教室に足音が近づいて来て、一声。



「加奈!遅くなってごめんねっ!!」


勢いよく開いた扉の向こうには少し汗ばんだ七菜が居た。

< 11 / 71 >

この作品をシェア

pagetop