CHERRy
けれど私は部屋に行った。
このままあの場に居ることがすごく気まずくて、切なくて。
一刻も早く、
プルルルル…ッ…
「七菜ーック!七菜ー!」
『どうかした!?』
誰かに聞いて欲しかった。
「っ…七菜、どうしよっ…」
『どうしたのよ、加奈…』
電話越しでも聞こえてくる七菜の心配そうな声。
七菜にまで迷惑かけちゃうけど誰かに聞いて欲しくて、答えて欲しくて仕方なかったから…
「どうしたらいいっ?」
『明日、にはヒロさん、帰っちゃうんだよね。』
「うん…怒らせたままにしたくないんだけど…」