CHERRy
「良かった…」
遠距離になると思ったけど、前みたいにお隣さんになれた。
「にしても。」
「?」
「加奈は直す気ねぇな?」
「、何を?」
「"ヒロちゃん"」
「あ…」
「ま、そこが加奈だしいいけど。バツはバツだかんな?」
「………」
「拗ねねーのっ!
てか、時間ないし早く行くぞ?」
「はーいっ」
今日は色々有りすぎて、色々幸せすぎて、頭が回らない。
けれど繋がれた手から伝わる熱。
全神経が指先に注がれていることは、紛れもない真実。