CHERRy


それからお風呂から上がったであろう兄と3人で他愛もない話で盛り上がった。

10年という月日さえ、忘れさせてしまうくらいに。


「お前が引っ越したあとの加奈が大変でさー!」


「ちょっ!お兄ちゃん!」

「加奈がー?」


「ヒロちゃんもっ!!」


二人してイジメてーっ!


「ヒロちゃん、ヒロちゃんうっさかったんだぜー?」


「そうなんだー♪」


「っもう!」


「そんなに寂しかった?

なら、今日は一緒に寝てやるっ!」


「……バカっ」


「妹に手出したらたとえ大翔であろうと容赦しねぇぜ?」


「シスコン兄貴!」


寝るまで話ふけた私が次の日遅刻したことは言うまでもない…


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