恋ウタ ~恋する歌子~
「どうしたの?」
「…え?」
「その顔。」
ーって顔かいっ!!
ベシッとあんずに
ツッコミを入れると、
あんずは、は?と
あたしを見てきた。
「…顔はともかく傘持ってきてないとか?」
あんずの言葉に
帰り道が分からないなんて言ってもきっと
通じないとおもった
あたしは
「そうなんだよねー」
と苦笑いした。
「…アッハッハッ!!」 そしてなぜか笑い始めるあんず。
え。
あたし今何か面白い事言った?
傘忘れたー…については 周りも言ってるし。
「いやね、あたしも忘れたから何かおもしろくって。」
…ん?
いまいち笑うツボが理解できなかったあたしは
首を傾げると
教室に入ってきた担任をみた。
「…どうしようかな。」
それからあんずに聞こえないよう小さく呟くと
あたしは机に伏せた。