恋ウタ ~恋する歌子~
…っていうか
そんなに変?
って変なんだけどさ。。
あたしは一人少し
口元を上げると、空を
もう一度見上げた。
……その時だった。
空を見上げたのに
何故か目にはくらい青色が広がっていて
心なしか雨もやんでる気もした。
その青の物体が傘と気づくのに、十秒。
…あれ。
そう思って横をみれば
「……。」
黙って眉をよせる一人の少年。
「っ翔生!?」
そこにいたのは
青な傘を持つ小宮山翔生 本人で。
意外すぎる展開に
どうもついていけない
あたし。
「…俺の名前知ってんのか。」
「あ。…うん。」
年下と分かってても
えらそうにタメ口で話されても、
イラついたりしない。
今はただ何でここに
いるのかという疑問と
目の前に翔生がいるという喜びしか考えることができなくて…
「ビショぬれやん。」
あたしの姿をみて
朝とはちがいペラペラと 話しかけてくれる。
まぁあたしがビショビショだから何だけど。
でもそんな翔生に
口元がゆるんでしまう。
「うん。…でも大丈-…ックシュン!」
笑顔でそう言おうと
したとたん
…くしゃみが出てしまった。
「大丈夫やないやろ。…冷たいし。」
そう言って
カバンからタオルを出すと、
あたしの手に握らせた。