恋ウタ ~恋する歌子~
体育会系男子が
もってそうなタオルを
受けとるも、
――今気付いた。
そうこうしてる内に
翔生の体が雨で濡れていく。
「…っ!」
あたしは思わず
青色の傘を翔生の上に
かざした。
「わ、ごめん気付かなくて…っ!
あたしは大丈夫だし。
あ。タオルもありがとう!」
あたしはそう言って、
タオルを返そうと
翔生の方へタオルを向ける。
――が、翔生はグッと
まゆを寄せるだけで
受け取ろうとしない。
「あれ。…翔生?
これ、タオル。」
「……。」
そう言ったあたしと、
目を合わせて顔をいつもの無表情に戻した。
ついでに、
ハァー…と
タメ息をつかれるあたし