恋ウタ ~恋する歌子~
こうして今、この大阪で迷子になっていた。
「…どこ…ここ。」
時計をみれば、既に八時過ぎ。
このままだと転入初日から遅刻…。
いやっ…それは絶対ムリ!!
あたしは立ち止まると、頭をブンブンと振った。
-ドンッ!!
道の真ん中で立ち止まっていたからか、一人の少年とぶつかったあたし。 振っていた頭と
誰かの肩らへんがぶつかり、鈍い音がひびく。
…いったぁー。
「邪魔。」
そう一言いう少年は、頭を押さえるあたしを
一目見てから歩き出そうとする。
―-が、あたしはその少年が着ていた制服をみて
目を見開いた。
「ちょっ…ちょっと待って!!」
ガシッと
腕をつかむと、超迷惑そうな顔で振り向く少年。