恋ウタ ~恋する歌子~
…ヤッパリ!
そんなのも気にせず、あたしは同じ校章が入った 制服を着ていた少年に
口元をあげて笑った。
「何やねん。」
「生の関西弁!」
感動!
あたしは一人盛り上がる。
「…は?」
わ、怒っていらっしゃる
まゆを寄せる少年に我に返ると、
あたしは急いで口を開いた。
「それって王華学園の制服だよね?場所わかる?」
そう聞いたとたん口元を歪ませる少年。
……あれ。もしかして違う学校の人?
そんなことを考えていたあたしに、少年は呆れた顔で見下ろすと
口を開いた。
「この制服着とるヤツで場所しらんアホおるわけないやろ。」
そう言うと腕を掴むあたしの手を振り払って、
少年は歩いていく。