恋ウタ ~恋する歌子~
そんなこんなで
15分後。
いろいろ話しかけても時々うるさそうに
見てくるだけで、返事はもらえなかった。
…そして、大きな門を通って高校に着いたと知ると、あたしは
下駄箱らしき場所へと足を向けた。
-…が、少年は
反対方向へ行っている。
…あれ。
「こっちじゃないの?」
「…。」
さっきと同じように
聞いても返事は返ってこない、そう思っていた
あたしにゆっくりと振り向くと
「そっちは高校。お前高校生なんやろ。」
中学と高校とで色が
違うであろうリボンを見ると
そう言った。
…こっちは…高校?
…ってじゃあ
「君、中学生なの!?」
めっちゃ大人っぽい!!
「…。」
そう聞いても
少年は答えずに、背を向けて歩きだそうとしていた。