年下彼は手強いのです,
side:真尋


早く着きすぎたかな、と心配していたけど、そうでもなかったみたいで安心。


「真尋ちゃん」

「輝くん」


あたしが到着してからすぐに輝くんは走ってきてくれた。う、嬉しい。素直に感情が零れて溢れ出た。


「よし、行こうか」

「うん…!」


憧れだった存在で、いつもは見ていただけなのに。今は肩を並べて歩けてることが、たまらなく嬉しい。


「楽しみだった、こうやって」

「えっあっ…わたしも」


ニコッと微笑んだ輝くんにつられて、あたしも笑みをこぼせば、あったかい雰囲気に包まれた。


開演時間まで、あたしの心臓はもつだろうか。


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