年下彼は手強いのです,
狂いかけたというよりは
狂いだしたのを止められず
重なるのは過去か今か未来か
それさえもわからぬまま
ただひとつ言えるのは
“過去は終っていなかった”
わたしはなんにも知らなかった
知らない方が幸せだったかな
§
「おもしろかった~」
「ああ、予想を反したラストだったね」
「パンフレットまで買う始末だよ」
「ハハッ、真尋ちゃん熱心に見てたもんね」
本当はドキドキして隣を見れなくて、前のスクリーンとにらめっこするしかなかっただけなんだけどね。
「どうする?このあと」
「えっ…と~…」
そのときだった。
――「輝?輝じゃない?」
甲高い女の子の声がして、その声に直ぐに輝くんが振り向いたのは。