年下彼は手強いのです,
side:登駕

本当はそんなこと言いたくなんかなくて。

「真尋って、そのくらいなの?」


本当は、俺を見て欲しい。さらに欲を言うなら、俺だけを。怒りにも似たその感情が嫌で仕方ない。


「え」


いつも頑張ってたのに、真尋。園芸も、輝先輩のことも、必死に変わろうとして、頑張ってたろ。なのに


「輝先輩への想いはそんくらい?」


惑わされて、でも素直に好きだとは言いがたくて。それがたまらなく苦しいんだ。


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