年下彼は手強いのです,
*変わらない日々
登駕に叱咤されて、家に帰ってからごろんと横になった。ベッドの上なのに、なんだか体が沈んでいくみたい。
…情けないなあ。
しばらくするとケータイのディスプレイがチカチカと明かりを灯したので、見ると【祐李】。着信なので手にとる。
「祐李?」
「あ、出た。真尋?」
えっ、と思わず聞き返してしまった。すると「デートの報告が何もないから」。やっぱりお見通しだったか。
「上手くいかなかった?」
「ち、違う…彼女さんが来て」
「ええ?」
「基山…さん」
「基山って」
記憶を辿るかのように基山を連呼する祐李にあやねさん、と付け加えると困ったような吐息が漏れた。
「……まだ付き合いあったんだ」
「知ってたんだ、祐李」
「クラス一緒だったから…でも別れたかと思ってた」