年下彼は手強いのです,
side:登駕

「登駕!」

「っす!」


先輩達を右に左にと避けてそのままシュートを放つ。これが朝練の恒例メニュー。


絶賛スランプだった俺だったけど、今は――


ひらりと舞うように足を動かして…トラップ。つぎつぎに先輩を抜いてあとは…輝先輩だけ。


迷わねえよ、もう決めたからには迷わねえ。俺、は……


――バシッ!



吸い込まれるように、綺麗な弧を描いて飛んでいくサッカーボール。ネットに引っ掛かり、拾い上げたのはキーパーの先輩で。

「ナイス!」


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