年下彼は手強いのです,
――でも本当は俺を、俺だけを見てほしくて。
……我儘かもしんねえけど
「とっ…お前……」
逞磨がハッとする。まさか、と続けられる。そのまさかだよ、バーカ。
こんなに好きだなんて、考えてもみなかったから。
「無自覚でやったのかよ…」
「俺、そこまでって考えたことなくて」
「優しすぎるただのバカ」
応援するとか、しないとか。
本当に見て欲しいものは違うのに。
「ったく…本気でバカだよなお前」
髪をくしゃくしゃに撫でられた。あったかい、自分よりは華奢な手。
「これで真尋さんフラれたらどうすんだ、お前」
「考えて…ねえ。必死すぎて」
「本気でアホだな」