年下彼は手強いのです,

口からこぼれた言葉に「もちろん」と答えてくれた。クッキーを持っていくことにしよう。

「絢音がさ、マネージャー復帰すんだ」

「えっ」


絢音さんが、マネージャー。


「1日限定その日だけなんだけど…あ、おい」


目の先には絢音さんがいた。ズキンズキンと今度は痛み出す心臓。震え出す心臓。苦しい――。


「あ、はよ。輝に、真尋ちゃん?」

「真尋です」


華やかに笑うその姿に憧れる。こんな女の子になりたくて輝くんの隣を歩きたくて。

「敬語やめていいよー。絢音でいいから」

「絢音、ちゃん」

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