年下彼は手強いのです,
「絢音ほんとサッカー好きだよな」
「まーね」
自分も好きだから、わかっちゃう。
好きだよね…きっと。輝くん。雰囲気とか見ててわかるもん。
「真尋ちゃんも、引退試合は楽しんでね」
「女の子と観戦なんて嬉しい!今までミーハーな子しかいなかったから」
ふたりにそう微笑まれた。並んでもお似合いなふたり。
「――うん」
でもわたしはまだ好きを告げてないから。大切な気持ちを、伝えてないから。
それだけは言えるようにしたい。
(その日に……言おうかな)
そう決めてから、右足をまた進めた。