年下彼は手強いのです,
「輝くん……」
「ん?」
「――…好き、です」
視界が揺らいだ。輝くんの笑顔がゆっくり苦いものを食べたかのように歪む。
あ―…やっぱり――…
「ごめん……真尋ちゃん………」
好き、とごめん。
このやり取りを人は、男と女は何回繰り返したんだろう。
「真尋ちゃんを…好きにはなりかけてた。だから試合の応援も映画ももちろん嬉しかった…けど」
言い訳なんかじゃないのはわかってるよ。だから余計に悔しいんだ。