年下彼は手強いのです,
わかんねえ、その声を背に探したけど見つからない。すると会場近くでキャプテンを見つけた。ひとりか。
「キャプテン」
「登駕。どうしたんだ、すごい顔だな。どした」
「あの、まひ…浜崎センパイ知りませんか」
聞いた瞬間に何かがあったのだと察した。目を反らされたから。
「わからないか」
「そうですか」
――振ったのか、キャプテンは。真尋より…絢音さんを取ったのか。
心のどこかで、安堵が出てきた。腹立たしい感情だ。
「ありがとう、ございます」
にこりと笑うとキャプテンは俺の目を見据えた。どうやら話はまだあるらしい。
「なにか?」