年下彼は手強いのです,

「フラレたのは、真尋だ」


ゆっくり目が見開かれた。色素の薄い瞳が揺れる。逞磨―…?


「た、逞磨?」

「大丈夫だ。びっくりはしたが」


それでなんでお前が落ち込んでんだと問われて、真尋に嫌われたと答えれば、まさかの事態。


「お前アホか。何て言ったんだよ」


罵倒された。


「関われないって」

「その心理は」

「ホッとした自分がいた。腹立つ」

「……当たり前だろ、好きなんだから」


「あと、慰めの優しさなんて、今の俺がやったら――卑怯じゃないか?」


< 156 / 209 >

この作品をシェア

pagetop