年下彼は手強いのです,
「…なんか“らしく”ないな。会話」
「そうさせてんの登駕だろ」
苦く笑いながら、俺たちは会場へと足を進めた。
§
つまりは弱みにつけこみたくないという意味通りに、毎日が過ぎた。
あれから、登駕と真尋さんは本当に関わりがなくなってしまった。
輝先輩と真尋さんは気まずいわけではない。なんか、“友達”に戻れているみたいだ。
でも、もともと学年から違ったんだ。部活の最中に見かけてもふたりは顔を合わせようとはしない。
「登駕…」