年下彼は手強いのです,
「わたし、ほんとうはわかってるんだろうね」
「真尋」
「話を聞かなかったのは、わたしだから。怖いんだろうね」
「伊沢なら答えてくれるよ…きっとね」
わたしはゆっくりと視線をずらした。ねえ、登駕?
あなたは一体、なにを考えてる?
§
「あれ、真尋さんじゃん」
こんにちは、とにこりと微笑まれた。相変わらずの逞磨くんだった。なんか、久しぶり。
「どうしたんですか?」
昼休み。いてもたってもいられなくなって2年生のクラスの階にあがりこんだ。
「や、あのー」
見た限り、教室にはいないみたいだ。逞磨くんにいざとなると言いずらいな。